団地での義務違反者に対する措置

区分所有者の義務は区分所有法6条1項で「建物の保存に有害な行為、他建物の管理・使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を禁止」し、同条3項で専有部分の占有者に準用。

区分所有法57条1項は「上記義務違反行為をし、又はおそれがある場合、他の区分所有者全員(又は管理組合法人)は、区分所有者の共同の利益のため、義務違反行為の停止・結果の除去・予防のため必要な措置を請求できる」とする。

つまり、区分所有法6条1項・3項の義務違反者に対し、区分所有法57条~60条(「義務違反者に対する措置」)によって、差止め、使用禁止、競売、引渡しの4種類の裁判上の請求が可能。
別途、各区分所有者の物権ないし人格権の侵害を根拠に個別的な請求が可能な場合もある。

団地管理組合を検討、区分所有法66条(建物の区分所有に関する規定の準用)は、区分所有法7条、8条、17条から19条まで、25条、26条、28条、29条、30条1項および3項から5項まで、31条1項ならびに33条から56条の7の規定を団地に準用。
団地管理組合は、57条~60条の義務違反者に対する措置は準用されておらず、各棟が主体となる必要がある。

また、区分所有法6条1項は「建物の保存に有害な行為その他建物の管理または使用に関し」とし、「建物」であって「団地」でない。
区分所有法65条(団地建物所有者の団体)は
「一団地内に数棟の建物があって、団地内の土地または附属施設が数棟建物の所有者(団地建物所有者)の共有に属する場合には、団地建物所有者は、全員で、団地内の土地、附属施設および専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成、区分所有法により、集会を開き、規約を定め、管理者を設置できる」とする。

標準管理規約も、「団地型標準管理規約の対象は、団地内の土地および集会所等の附属施設が団地建物所有者全員の共有となっている場合」としている。
団地管理組合と各棟管理組合の違いに留意が必要となる。

2020年01月02日