住宅団地再生の手引き

住宅団地の開発は、昭和40年代前半をピークに開発が進み、多くは入居開始後40年以上経過
人口減少・少子高齢化から、住宅等の老朽化・空き家の増加・生活関連サービスの低下(不足)等課題が顕在化しつつある。
地域活動を担う自治会・町内会は組織されているが、まち全体の様々な課題を考える明確な主体がない。
再生に向け動き出すきっかけづくりが難しいなど課題を解決する糸口が掴みにくい傾向にある。

こうした背景から「住宅団地再生の手引き」を国土交通省は公表(令和4年3月29日)
住宅団地は、良質な住環境・道路等の都市基盤・長い年月をかけ育まれた豊かな自然環境等を有している団地が多く、地方公共団体による再生支援がもとめられる。

手引きでは、実施中の取組として「若年世帯転入促進」「コミュニティ力向上」「空き家利活用」「高齢者向け支援」があり、参加主体は、行政・住民のほか、事業者・大学等が関わっているとする。

住宅団地の課題を4つに大別
1.「居住者の変化に伴う課題」:人口減少・高齢化の進行と居住者構成の変化に対応しきれず生活関連サービスや交通サービスが不足
2.「社会変化に対応した課題」:変化した社会ニーズにまちの機能が対応しきれない
3.「ハード面の課題」:住宅・施設の物的な老朽化・空き家化や災害対策不足
4.「地域持続性の課題」:高齢化・若年世代の流出に伴う地域活動の担い手不足に伴う自治力低下

方向性として9つのテーマを設定
9つのテーマに対応した具体の取組みは、横断的な連携を検討する必要がある。
①「福祉・健康」 ②「子育て」 ③「生活サービス」 ④「交通・移動」 ⑤「働く」
⑥「住まい」 ⑦「住環境」 ⑧「防犯・防災」 ⑨「コミュニティ」

手引きは、地縁組織や地域団体・事業者等の住宅団地の関係者が主体となり取組み、世代循環・住み替えが促進され多世代が安心して暮らし続ける住宅団地を目指し、地方公共団体の担当者が、現場での支援や関係者との調整等に関与していくための活用を目的とし、手順・参考事例・制度を示している。

2022年10月21日